特集 移行措置とは? (2010.2.14.)


今回の移行措置は?

 定期的に学習指導要領が改訂されて、それにあわせて教科書が改訂されます。次の改訂は、小学校が2011年度・中学校が2012年度です。学習指導要領改訂時には、その改訂前後で履修内容がダブってしまったり飛んでしまうことの無いように改定内容を少しずつ実際の授業に反映していきます。これを「移行措置」といいます。

 この「移行措置」はいつものことなのですが、今回の改訂は、いつもと少々違います。なにが違うかというと、「移行措置期間中でもあっても可能な限り新しい学習指導要領に沿った学習をする」という点です。つまり、新しい学習指導要領が前倒しで実施されるわけです。

 さらに、今回の改訂では、小学校の算数・中学校の数学と理科で大幅な変更があります。その変更内容とは、ズバリ、学習内容の増加です。例えば、中学校の理科では第1分野のイオンや第2分野の月の満ち欠けなど、これまでの教科書に無かった内容が追加されます。(といっても、ほとんどは「ゆとり教育」でカットされていた内容が復活しただけとも考えることができます。)

ここまでをまとめてみましょう。

1. 移行措置期間中でもあっても可能な限り新しい学習指導要領に沿った学習をすること

2. 主に、小学校の算数・中学校の数学と理科で履修内容が増える

この2点により、現在すでに特定の学年で、算数・数学と理科の授業で習う事柄が増えているのです。

 

移行期間は? 

移行期間は今年度(2009年度)から始まっています。図にしてみると、黄色部分が移行措置で学習する学年ということになります。

 

移行措置質問集 

お寄せいただいた移行措置についての質問に答えてみましょう。

Q1. 移行措置はいつから始まるの?

2009年度から始まっています。すでに今年度から始まっているのです。

Q2. 教科書は変わらないのですか?

変わりませんが、補助教材が配布されます。

Q3. 補助教材の内容も中学校の中間試験や期末試験で出題されるのですか?

習うのですから出題されます。

Q4. 補助教材の内容も高校入試で出題されるのですか?

習った部分は出題されるはずです。愛知県は公立高校入試についてこのようにコメントしています。例えば「平成22年春の入試では、補助教材が配布されている「理科」がその対象となります。」私立高校でも同様と考えられますが、高校ごとに確認しないとはっきりしません。

Q5. どうして前倒し実施されるのですか?

学力低下に危機意識が高まっているからでしょうか。

Q6. 履修内容が増えるのに授業時間数は増えません。大丈夫でしょうか?

大丈夫じゃないでしょう。現場の先生方と子どもたち両方の努力が必要になると思われます。ただし、このことは移行措置とは直接関係ありません。授業時間数を増やさないのに、新・学習指導要領で履修内容を大幅に増やしたことが原因なのです。

 


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