徒然日記その46. 子は親の鏡??(5/29)
少年(未成年)の凶悪事件が続発している。新聞やテレビの報道では、犯人達の多くが「少年なら死刑はない」とか「少年院から2,3年で出てこられる」とか「無期懲役だって数年で保護観察で出てこられる」ことを知っていて罪を犯しているのが恐ろしい。なぜここまで少年達の心が荒んだのかという問題は大変に深いことなのですぐには答えを見いだせないが、今回は、よく指摘されている家庭や親の役割を考えてみたい。
最近立て続けにゾッとするような光景に出くわした。いずれも3歳くらいの幼児とその母親(達)の光景である。
最初はある医院の待合室にて。幼児がビービー泣いていた。病院好きの幼児などいないから当然だろう。「怖い」とか「いやだ」の感情を自己主張しているのである。こういうのはよくある光景だ。母親が一緒だからなんとかするだろうと思っていたら、その母親は「静かにしなさい!」「いい加減になさい!」「外に放り出すわよ!」・・・。これじゃあ言葉の暴力ではないか。れっきとした虐待である。そうして、ようやくその子が泣きやんだら、その母親は椅子にドカッとすわって(持参してきた)マンガを読み始めた。「・・・。」私は目が点である。マンガなんか読んでるくらいなら一緒に絵本を読んでやるとか、順番が回ってくるまで外で遊んでやるとかできないのか。病院でこれなら家庭での雰囲気も察しがつくというものだ。子供は親の愛情を感じることができないんだろうなあ。
次は公園である。天気の良い土曜の昼下がり。子供たちが元気に遊んでいる。ところがその公園の一角で若い女性二人が缶ビールをあおっている。「おいおい、昼間っから公園で酒なんか飲んでるなよ」である。花見の季節はとっくに終わっているのだ。そしてさらに驚いた。「お母さーん、オシッコー」と子供の声。つまり缶ビールをあおっていた女性とは公園で遊んでいた子供の母親なのである。一体何を考えているんだろうか。平気でその場にゴミを残していったのにもあきれた。
こういう母親(のいる家庭環境)で育つ子供は、ほんとにまっすぐ育つのであろうか。とても心配である。頻繁にこういう光景を見かけるということはそういう親が多くなっているということでもある。「子は親の鏡」である。そういえば、授業参観でぎゃあぎゃあ騒いでいるのは生徒ではなくて見に来た母親達であるということをよく聞く。「子供よりも先に親を躾けなくてはいけない」と知り合いの校長先生が随分前に吐いたセリフだ。モラルに欠ける親のもとで育つ子供もやはりモラルに欠ける大人になってしまうのではなかろうか。そして、モラルに欠ける人間が拡大再生産されていくのだ。悪貨は良貨を駆逐してしまうのだ。いやはや、日本の未来は暗い。
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