徒然日記その260. 最近の高校 理系クラスは減る一方? (10/23)
前回引用した京都大学「2006年問題ワーキンググループ」の化学部会の報告書、気になる部分は後半のところだ。もう一度引用させていただく。
b)2006 年の入学生
2006 年度には、小・中・高等学校において、新学習指導要領に則った教育を受けてきた学生達の入学を迎える。2006 年に入学する学生達は、小・中・高等学校を通じて、完全週 5 日制と教科内容の削減の下に教育を受けてきた最初の人達である。従って2006 年の大学入学者の学力の低下が全国的に危ぶまれ、「2006 年問題」として、大きな関心を呼んでいる。
左下図にあるように、系統学習が中心となっていた 1970 年頃の主要教科の授業時間数に比べて、2002 年度の授業時間数は 25%の削減となっている。特に小学校の理科の授業時間数の減少は著しく、45%もの削減である。経済開発協力機構(OECD)の学力到達度国際比較によれば、この間に、中学生の数学的応用力は 1 位から 6位に、読解力は 8 位から 14 位に転落した。
引用終わり
気になる部分を赤くしてみた。小学校の理科の時間数は1970年頃の半分になっているのだ。これでは理科の本質的な部分を教える時間はない。だから理科に興味を持たない子が増える。高校の理系コース進学希望者が減り続けている原因の1つにもなっていると思う。
そして、教える側でも同じことが起こっているのではないかと思うのだ。スカスカの理科を教わった世代が教壇に立っているのである。理科の面白さを本当にわかって授業しているのだろうか。授業参観で感じるのは、問題の正解を導くための小手先のテクニックを教える理科の教師が増えたことである。くだらない語呂合わせで公式を暗記させて数値を入れて「ハイ、正解」だなんて、これじゃあ程度の低い塾と同じである。なぜ、その公式が導かれるのかとか、背景にある考え方はこうだとか、学校で教えるべきことはたくさんあるはずだ。
日本は技術立国である。理系の活躍なくして日本の未来は無いはずである。もし国を滅んだら、その犯人は「ゆとり教育」を推進した文部官僚である。
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