徒然日記その3. 塾の生徒数--中1では入らない?

 

 中1の教室が寂しい。例年は中学入学と同時に、つまり4月の新学期授業開講時に塾に入ってくる生徒が多かったのだが、昨年あたりから違ってきている。新学期授業開講時なんて閑古鳥が鳴きそうなのだ。中間試験が終わって成績表がかえる頃になるとようやくポツポツと問い合わせがある。このポツポツは1年間ダラダラと続き、中2の1学期中頃になってようやく教室が一杯になる。

 一杯になるということは、(転塾者よりも新規入塾者の方がずっと多いから)他塾に生徒をとられているのではなくて、塾に通っている中学生が少なくなっているということであろう。つまり、例年は中1で塾に入るのを、中2や中3まで待っているのである。これはなぜであろうか。明白である。不景気により家計が苦しいのだ。「この塾は安いから入った」というセリフを塾生からよく聞く。確かに我が塾は授業料が安い。安く設定してあるから当然である。

 

 要するに、多くは、「ホントは中1から通いたいけれど、家計が大変だからいよいよヤバくなるまで塾には入れない」のである。ヤバくなってから入ってくるのであるから、指導はとっても大変である。時間外手当が欲しいくらいであるが、そこは一応プロのつもりであるから、ポーカーフェイスで真剣に教える。結果を出してこそプロだと思うからである。無理しているのである。

でもやっぱり困るのだ。通塾開始学年がどんどん遅くなると、次の2つの点で塾は困るのだ。

 その1.授業料収入が減る。これにはとっても困ってしまう。生活がかかっているのだから。
 その2.教える労力がどんどん増えてしまう。もう若くないのである。(苦笑)

とくに1はどんどん切実になっていくのであろうか。景気回復を切に望みたい。2もつらい。方程式もしっかり理解できていないのに中2になってから塾に入って来て、何とか公立高校に入れて欲しいのである。その程度の学力で3がもらえてしまう通知表にも文句を言いたいが、自称「プロ」だから文句を言えないのがとてもつらい。

 ふと我に返ってみると、昨年度から新規に作った教材やプリントがずいぶんあることに気付く。既成の塾教材では足りないのだ。それだけ入塾してくる生徒の学力レベルが変わったということであろう。中学生全体の学力レベルも変わったのかも。いやはやシンドイ時代である。

 


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