徒然日記その5. 最近の中学生--ピントって何?

 

 子供の「理科離れ」が激しい。文部大臣はくだらない(失礼!)パフォーマンスで子供たちと一緒に理科の実験なんかをやったりしているが、そういう次元の問題ではなかろう。そもそもそういう場に行く(連れて行かれる)子供はたいてい大丈夫である。

 今年、複数の生徒から「先生、ピントって何?」という質問を受けた。こんなことは初めてである。しかもみんな中3である。顕微鏡なんて中1で触ったハズなのに、それでも「ピントって何か分からない」のである。経験してないことを理解(というよりもイメージする)ことは困難であろうが、経験したことが分からないのである。理科で4や5をとっていても、だ。

 まあ、太陽が西から昇ると思っている子供も多いし、そもそも方角が分からないのである。空を見上げないのだ。自分の目の高さより下しか見ていないのだ。だから、夕方の西の空に三日月を見たことがないのである。ましてや北極星なんて都会では見えないし、北斗七星に至っては、理科を教える人間もホントに見たことあるのだろうか。

 教科書の上だけの理科、紙の上の理科、机上の理科、である。覚えればテストで点は取れる。こちらも一応プロであるから、方角もおぼつかない生徒でも日周運動の問題を正解できるようにはする。だが、その先に何があるんだろうか(自己嫌悪)。

 最近のアウトドア・ブームもヘンだ。四輪駆動車で山や河原に入り込み、バーベキューやって夜中までどんちゃん騒ぎである。これでホントに自然に親しんでいるのか。(大きなお世話と言われそうであるが)。理科とは「自然科学」なのであるから、自然を感じないと始まらないのである。これは、家庭や社会、教える側の責任とも言えるだろう。反省。

 


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