徒然日記その7. 最近の中学校--定期テストにゃ過去問?

 

 今回は、中学校の定期試験を考えてみたい。中間試験と期末試験のことである。愛知県の高校入試では定期試験の成績が重要である。通知表(内申点)が重視されるからである。よって、多くの学習塾は、通知表をあげる指導をするようである。つまり、中間試験や期末試験の成績を上げようとする。そのためには、実力をつけ、応用力をつけてあげれば、怖いモノはなくなり、そのまま受験にも対応できるんであるが、世の中そんなに甘くはないのである。生徒みんなが思うように実力をつけてくれるわけではない。もちろんこれは、教える者の力量が重要なのだが、サボる生徒もいるわけで、それでも結果を出さねばならないのが塾の悲しいトコロなのだ。

 では、そういう時にはどうするか?試験対策である。たいていの塾は、中学校ごとに過去に出題された問題をもっている。「過去問」である。ご丁寧に問題を作成した教師の名前まで追跡していたりして、「今回はXX先生が作るらしい」なんて情報を生徒から手に入れて、過去問を分析して「予想問題」なるものを作って生徒達に練習させるのだ。これは随分効果があるのだが、以前に、こういうことがあった。ある教科で100点満点がゴロゴロ出たのだ。平均点は50点台半ばであったので、決して易しい問題でなない。でも100点がいっぱいなのだ。理由は簡単。数年前と全く同じ問題だったのである。誤字脱字まで寸分違わぬ問題であったのである。

 塾で過去問を徹底的に練習していた生徒はみな満点。これは学校でもかなり問題になったようであるが(怒鳴り込んだ親御さんがいたそうである)、結局再テストも行われず、同じ問題を使った教師もおとがめ無しである。

 この事件は色々な問題点を浮き彫りにしたと言える。まず、全く同じ問題をなぜ使ったのか。言い分もあろうが、手抜きといわれても仕方あるまい。また、定期試験まで過去問を練習する必要があるのか。これは当事者とてもあまりいい気持ちはしない。力をつけないでよい点をとってきても、あまりうれしくはないのだ。でも、結果を要求されるのが塾なのである。悲しい。

 


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