徒然日記その71. 推薦入試はよくない?(11/20) 

 推薦入試---最近よく耳にする入試方法である。あの広末涼子も推薦入試で早稲田大学に合格したんですよね。ところでこの推薦入試、私は好きではない。いや嫌いといってもよい。正直に言えば「大嫌い」である。なぜならば・・・。

 ここで誤解を招かないようにまずは説明しておきたい。推薦入試といっても様々あるわけで、ここでは愛知県の高校入試に限定して考えたい。公立も私立も含めた高校入試における推薦入試というわけである。では、愛知県の高校入試における「推薦」とは何なのか?愛知県公立高校の推薦基準を引用してみよう。

ア推薦(人物推薦)---人物が優れており、運動・文化・芸術・奉仕活動等の諸活動のいずれかにおいて優れた能力・適性および実績などを有する者

イ推薦(人物推薦)---人物が優れており、恵まれない環境を克服し、向学心に富み、生活態度が他の生徒の模範となる者

ウ推薦(人物推薦)---人物が優れており、調査書の「学習の記録」が優秀である者

3種類の推薦があるわけだが、いずれも学力試験(筆記試験)は課されないことは同じである。ここで「ウ推薦」を見てみよう。ウ推薦とは「要するにテスト受けたって出来るに決まってるから推薦したげるよ」だと私は思っている。確かにそうなのであるが、テストを受けなくてもよいことが大きな問題をはらんでいると思うのだ。と言うのは、私の知る限り(2人や3人ではない)、推薦で高校に合格した者は高校入学後の成績が芳しくない。いや、はっきり言えばひどい成績である。1年生から赤点スレスレで追試の常連組なのだ。なぜなのか?私は次のように考えている。

 そもそも推薦で合格した者は懸命に勉強した経験がない。ところが、中学程度の内容ならそこそこの勉強で出来た者でも高校の内容になるとそうはいかない。だから学力は相対的にどんどん低下して成績は急降下である。なにせ一生懸命勉強した経験が無いのである。また、高校受験の勉強はそれまで習った内容を体系づけて復習するのに格好のものであると思う。しかも「初めての試練」に気も張っているのでよく吸収できる。つまり緊張感をもって勉強できるのだ。私は、高校入試直前の2ヶ月間に、グンと学力を伸ばし精神的にも成長する者が多いと思う。しかし、推薦組にはその2ヶ月間がないのだ。さらには、自分は「推薦で合格した(=一般入試のヤツより上だ)」という慢心(?)もあろう。このような要因で推薦組は入学当初から低空飛行である。もちろんそうでない生徒も多いと思うが(思いたい)。

 人間はやはり怠け者である。試験がないと勉強しないのである。この推薦入試、私立高校や大学の受験でも同じようなことが言えるんじゃないのか?芸能人を客寄せパンダにするために入学させるのは論外であるが。

 


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