徒然日記その77. まだ習っていない冬休みの宿題 (12/28)
名古屋市立の中学校では、冬休みの宿題として「冬の生活」が出る。全教科が一冊にコンパクトにまとめられていて復習するのになかなか良いものだ(ちなみに夏休みには「夏の生活」が出る)。
ところが、この「夏の生活」や「冬の生活」、最近ちょっとヘンなのだ。まだ習っていない単元の問題がたくさん入っているのである。私は仕事柄、毎年の「夏の生活」や「冬の生活」を見ているので、内容が増えているわけではないとわかる。ではなぜなのか。中学校の学習進度が年々遅くなっているのである。中学校によっては2単元分を習っていない場合もある。ところが、宿題の指示プリントを見てずっこけるのだ。「習ってないところも予習としてやっておくこと」なのである。英語や数学の未履修部分を中学生が独学でやれるのだろうか。いや、こういう指示を出す教師は、やれると考えているのだろうか。「どうせ塾で習ってるんだろう」なんて考えているとしたら本末転倒である。もしそうだとしたら塾に通っていない子はどうなるのだろうか。
「冬の生活」だけではない。学習進度があまりに遅くて教科書を終わらないのである。中3は高校受験を控えているからこの問題は切実だ。高校受験の時期も早くなっているので、落ち着いて授業をやれるのは1月半ばの学年末試験まで。ところがa大抵の中学校では、この時点では教科書は全部終わっていないのだ。例えば数学。終盤に「確率」が出てくる。2月初旬の私立高校入試でもよく出題される単元である。ところが中学校では習っていないのだ。もちろん塾ではやってあるのだが、じゃあ、塾に通っていない子はどうなるのだろうか。必要な内容を必要な時期までに消化することが義務教育の「義務」だと思うのだが。授業が進まない理由は色々あろう。しかし、その理由の1つに「教師の怠慢」を挙げられるのは困ったことである。情けないことである。年間予定表を見ればそのクラスの年間授業時間数は簡単に見積もれるはず。だったらペース配分も考えられるはず。それもしないで「プロ」だなんて言って欲しくないですよね。塾講師だったら即・解雇ですよ。
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