徒然日記その83. 大学ってなあに。その2 (1/30) 

 受験シーズンたけなわ。今回も大学受験のお話である。私は怒っている。この怒っていることについて書こう。我が国では少子化によって、18歳人口は5年前の約200万人から約150万人になったそうである。なんと4分の1が減ったということ。ところが大学は増えているのだ。それでどうなるかは明らかであって、受験生の奪い合いが始まるのである。では、受験生を確保するのに手っ取り早い方法とはなんだろうか。そう、受験機会を増やすことである。前期日程試験,中期日程試験,後期日程試験,地方試験。またそれぞれの日程でも数日の中から受験日を自由に選択可能だとか学部学科の併願可能だとか色々ある。さらには推薦入試で早めに学生を確保する方法だってある。さらに推薦にも色々あって、高校が推薦するのもあれば(これは従来のスタイル)、「自己推薦」なんていうワケのわからない推薦まである。自分で自分を推薦するとはどういう意味だろうか?じゃあ、他人を推薦したらタコ推薦(他己推薦)か?もうこうなってくると、なりふり構わず学生を集めているとしか見えないんですが。

 こんなことやってるから色々矛盾も出てくる。教育に値しない、あるいはその大学が教育できない(しようがない?)生徒だって入ってくる。他にもある。私は、多くの私立大学の入試問題が気に入らない。問題がくだらないのだ。「これが学力をはかる問題か?」と感じるものが実にたくさんある。「慶長年間の**藩の石高を次から選べ」これが歴史の学力をはかる問題か?そもそも教科書に出ていない。「歴代のローマ皇帝の写真は次のどれか。順に並べよ」冗談じゃない。そんなこと知っているほうがヘンである。なぜこんなコトが起こるかと言えば、前記のように試験回数が多すぎるのだ。地方試験だけでも数十通りの問題を作らねばならないからネタがない。手間だって莫大なものだろう。試験問題作成担当にでもなったら1年中問題作りではなかろうか。さらには高校の指導要領を研究しているヒマもないらしい。文部省(文部科学省)が教養学部を解体しちゃうもんだから、高校の指導要領を把握している学部がなくなったのである。大学は専門バカを量産するところではないはずであるが(教官が専門バカになっちゃってるのか?)。某予備校が入試問題作成を請け負うことになって話題になったが、すぐに飛びついた大学が20もあるらしい。二度ビックリである。つまり、それほど入試問題作成は大変であるし、それができない(無能な)大学が存在すると言うことである。こんな大学受けちゃダメですよ。

 さらに弊害がある。トータルの受験料である。同じ大学の同じ学部を何度も受験可能である。何度も受けておきたいのが受験生心理だろう。それを逆手に取っているかどうかは知らないが、たかが2,3校の受験でも受験料はトータル数十万円である。そもそも(私大の)センター出願と前期日程試験の合格者をまとめて発表するのはどういう了見なのだろう。各募集ごとに合格者を発表し、その後で再募集して試験、そのようにできないものか。センター出願分なんてものは入試センターからデータを受け取るだけではないか。それに手間や時間がかかるなんて言わせないぞ。塾や予備校を「受験産業」と言って嫌うことがあるが、大学こそが受験産業になっているのではないか。真剣に教育する気がどこまであるのだろうか。実名で書いてしまいたい大学がたくさんあるが、そんなことするとスクール・ネットさんに迷惑がかかるので別の機会に。

 

*(スクールネットより)受験期なので、予定を繰り上げて掲載しています。


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