徒然日記その93. 愛知の高校入試--公立ばなれ?? (4/2)

 21世紀最初の高校入試も全日程が終了した。第1志望の高校に合格できた人やそうじゃない高校に通うことになった人など様々だと思うけれど、受験勉強の苦労や合格の感激を忘れずに3年間を有意義に過ごして欲しいと思います。

 さて今回は、今年の愛知県公立高校入試のデータを眺めていて気付いたことを書いてみる。公立高校入試を取り巻く状況が変わりつつあるのだ。まず今年目に付いたのが定員割れした公立高校。定員割れしたのは全部「普通科」なのである。これはどうしたことか。一度定員割れしてしまうとその高校は荒れてしまい(受験者全員が合格する---つまりオール1でも入れちゃう---出願していればだが)、それが原因となってさらに志願者が減るという悪循環が起こるようだ。名古屋市のはずれや郊外に位置する2,3の県立高校で実際に起こっている現象である。この現象がさらに広まるのだろうか。

 さらに今回目立ったのが「1校受験者」の増加。愛知県の複合選抜制度では公立高校を2校受験できる。もちろん1校受験でも構わないのであるが、この「1校受験者」が増えているのだ。手元の資料によると、

1校受験者 9410人(前年比+268人)
2校受験者 63888人

という具合。1校受験者は昨年より268人つまり3%増えている。これは第1志望の公立がだめなら私立高校へ行くということか。不況が続いているので公立志向が強まっていると思われがちだが、実際には(従来なら公立普通科を受験できる層が)私立高校を志望するケースを多く見た。これは公立高校の教育力というか大学受験指導力に対する信頼がゆらいでいるということか。この背景には前回書いたような私立高校の予備校化(?)があるとも考えられる。また、受験校の組み合わせ自由度の低さも原因として考えられる。これは複合選抜制度が始まった当初から言われていることだ。公立2校を受験できると言っても自由に2校選べるわけではなくて実際にはかなりの制限がある。「受験機会の複数化」を謳うのだったらもう少し工夫が必要だろう。そろそろ普通科の群(1群・2群)や全体のグループ分け(Aグループ・Bグループ)を組み替えてはどうだろうか。余談であるが、「受験機会の複数化」なんていうのは建前であって、複合選抜制度の本当の目的は「公立伝統校の復活だ」なんてことが言われているようだ。複合選抜制度導入時の愛知県教育長を初めとする重要ポストは全て県立伝統校OBだったのは単なる偶然か??あるいは学校群時代の県立某伝統校の校長が「入ってくる半分はカスだ」なんて言ったことは本当か??さて、来年の高校入試はどうなるでしょうか。

 


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