徒然日記その99. 教育の機会均等が崩壊する? (5/21) 

「日本国民はその能力に応じて等しく教育を受ける権利を有する」---日本国憲法に保障されている教育を受ける権利である。では、本当にこれが保障されているのだろうか。最近気になることが2つあるのだ。

 1つは公教育の堕落である。公立の小学校や中学校では、学級崩壊、はては「学校」崩壊状態となっているところが少なくない。原因はどうあれ現実問題として授業をきちんとできないのだから教育どころではないだろう。さらにやる気のない教師が増えている。「あの先生はハズレだよ」「はずれが担任になっちゃった」これは保護者たちが交わす会話である。現場だけではない。管理職だってそうである。定年退職を待つだけのことなかれ校長,なにもしない教頭・・・。こういうことがまかり通る世界が存続できることがまず問題である。もっともっとやる気も能力もあるのに教員採用試験に合格しない人間がたくさんいるのにである。なんとかならないものか。

 2つめは経済格差である。公教育に期待できないので私立教育への期待が高まる。いや、期待というよりも他に選択肢がないのかもしれない。それほど公教育は情けない状況なのである。私立中学や私立高校、あるいは予備校、学習塾、家庭教師・・・・みなお金がかかるものだ。だからみんながみんな通えるものではない。能力があっても経済的事情で私立教育を受けることができないのである。

 これでは機会均等とは言えない。といっても、私立の教育機関に文句を言っても仕方ないのであって、公立の教育機関がだらしないからこうなるのである。そういえば最近こういうことがあった。ある小学校のPTAに頼まれて講演をすることになっていたのである。最近の教育情勢とか愛知県の受験状況だとか実際的な話をして欲しいとのことだった。PTAのお母さん方は楽しみにしていたようであるが、小学校側からクレームである。塾講師のような人間が小学校内で話をするなんてもってのほかだそうだ。小学校からしてみれば「敵」ということだろう。PTAのお母さん方は小学校側をかなり説得したようだがとりつく島がなかったらしい。小学校は、私に話されたらまずいことがよほどたくさんあるらしい。この学校はもちろん「公立」小学校である。

 


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