面接試験の実際
愛知県の高校入試---面接編
1.面接試験の対策
現在、多くの私立高校推薦入試及び公立高校入試で面接試験が実施されています。面接とは、面接官が様々な質問をしたり意見を聞いたりして、受験生の人がらを判断することです。その時の言葉づかいや話し方、態度が評価されます。面接には個別面接と集団面接があります。
個別面接(私立推薦入試、公立推薦入試で行われる)
一人の受験生に一人または複数の面接官が応対します。一人だからといって固くなることはありません。気を楽にして面接を受けましょう。集団面接にくらべて、自分の意見が言いやすい面接形態です。
集団面接(公立一般入試で行われる)
受験生3〜5名がひとつのグループになり、一人または複数の面接官が応対するもので、面接官がひとつの質問を順にたずねたり、途中で前の人の答えに対する感想、意見などを求めたりします。個別面接とくらべて、仲間がいるので緊張感は少なくてすみます。ただし、自分の意見をしっかり持って人の意見につられないことが大切です。
2.面接でどんなことを見られるか
[態度]
・面接室への人室、面接中の姿勢、退室のしかたなど、きびきびした動作をとることができるか。 ・目上の人に対しての言葉づかいはどうか。 ・中学生らしい服装をしているか。[表現力]
・面接官の質問の意味を正しく理解し、それに対して自分の考えに筋道を立てて、 話すことができるか。 ・敬語が身についているか。[判断力]
・他の受験生に左右されずに、自分の意見や考えを言えるか。 ・社会の出来事や事件に対して、正しい判断で対応できるか。[積極性]
・自分のことを理解してもらうための努力をしているか。 ・何事にも意欲的に取り組み、進んで自分の考えや意見を発表できるか。[協調性]
・周りのいろいろな人と仲良く意見の交換ができるか。 ・他の生徒と協力して学校生活を送れるか。
3.面接会場に臨むとき
A.言葉づかい
言葉づかいも服装と同様、人がらを表すものです。ふだん友達と話すときのような言葉を使わないように気をつけ、はきはきと答えましょう。流行語などを使ったり、言葉を省略して話すのはいけません。
1.人の呼び方
[自分を指す言葉]
男子→ぼく 女子→私(わたし、わたくし)
[家族の者をいう言葉]
お父さん→父 お母さん→母 お兄さん→兄 お姉さん→姉 おじいさん→祖父(そふ) おばあさん→祖母(そぼ)2.声の大きさ
はっきりと相手に自分の声が伝わることが大切です。緊張しすぎて声が小さすぎると聞きとれないことがあります。また、必要以上に大きな声で話す必要はありません。
3.言葉づかい
最初の言葉は「はい」「いいえ」をはっきりと答えましょう。語尾は「です」「ます」を使い、ていねいに答えましょう。
4.敬語
日頃、自分が目上の人に対してどのような言葉づかいをしているか、思いおこしてみて下さい。おそらく友人と話すものと変わらないという人も少なくはないでしょう。敬語は、これから皆さんが大人になって社会に出た時、必ず使いこなせなければならないものです。今のうちからその場の状況をわきまえた会話ができるように、目常生活の中で心がけてみて下さい。面接試験の時だけという甘い考えでは敬語は使えません。
B.面接時の服装
面接官が受験生から一番強い印象を受けるのは服装です。服装はあなたの人がらを表す最初の言葉です。下記の項目についてチェックしてみて下さい。
【男子】
髪が長すぎたりパーマや染毛をしていませんか。 制服のボタンはついていますか。 つめは切ってありますか。 ズボンの太さは標準ですか。 ホック、カラー、校章はきちんとしていますか。 生徒手帳は持っていますか。 ベルトはしていますか。 ズボンの折り目はきちんとついていますか。 靴のかかとをつぶしていませんか。 制服の下に派手なシヤツやセーター・トレーナーを着ていませんか。【女子】
髪にパーマや染毛をしていませんか。 化粧をしていませんか。 マニキュアをつけていませんか。 制服のリボンは短くありませんか つめは切ってありますか。 スカートの丈は長くありませんか。 校章、バッヂはついていますか。 生徒手帳は持っていますか。 上着の丈は短くありませんか。 スカートにきちんと析り目がついていますか。C.控え室での態度
面接会場に入ったときから、もう面接は始まっていると考えましょう。控え室での態度にも面接官の目が光っていることを忘れないようにしましょう。
[次のような人は・・・]
1.すぐにしやべり出す人・・・どうしても必要があれば、最小限の会話はかまわないでしょう。しかし、他の受験生に迷惑になることは、当然ひかえなければいけません。
2.あくびをして寝ている人・・・受験生としての自覚不足と緊張感に欠けているとしか思われません。気をひきしめて、いつもだれかに見られているとう気持ちを持ち続けて下さい。
3.胸のボタンをはずす人・・・だらしない性格の生徒だと判断されてしまいます。身だしなみも人がらの表れのひとつです。
4.物を投げたり、机に腰をかけたりする人・・・絶対にこのような事はしないようにしましょう。
4.質問内容---ポイント
次に挙げる5つのポイントは、過去の質問例を分析した結果です。必ず押えておかなければいけない項目です。十分に把握しておきましょう。
A.中学校生活について
自分が、中学3年間でどのようなことをやってきたのか振り返ってみよう。生徒会活動やクラスでの役割、委員会、部活動などいろいろあると思います。特に印象に残っているもの、今の自分に役立っている経験は、理由もつけて話せるようにしておきましょう。傾向としては、部活動に関する質問が多くなっています。部活動での苦しみや感動をまとめておくとよいでしょう。
B.自分自身について
面接官には自分がどういう生徒なのかをアピールしなくてはいけません。長所・短所、趣味・特技などはもちろんですが、自分はどんなことに興味を持ちやすいかなど、自分自身の性格や考え方を把握しておくことが必要です。そのためには、自分を振り返りって自分をよく見つめ直す機会をつくることです。そうすることにより、必ず“自分”というものが見えてくるはずです。
また、質問の傾向として「将来の夢について」が多くなっています。「先のことはまだ考えていません」、「特に夢はありません]などと答えたのでは、面接官も目先のことしか考えない生徒だと判断しかねません。どんな夢でもいいのです。若さと希望にあふれた意見を面接官にぶつけてみましょう。
C.身近な関係にある人々について
面接官は、各生徒の人格形成をつかむため、どのような人々の中で生活しているかを把握しようとします。人格は環境に左右されやすいので、生活環境を聞くような質問が多くなるのです。ありのままに話せばよいのですが、一応の対策を述べておきます。
@家族について・・・家庭における家族一人一人の位置づけをしっかり押え、またその一人一人が自分にとってどういう影響を与えているのかが説明できるように。
A友人について・・・自分にはどのような友人が多いのか。それらの友人から自分はどのような影響を受けているのか説明できるように(これは自分にとってプラスになった事を述べた方がよいでしょう)。
D.高校生活について
自分は果たして何のために高校に行くのか考えておく必要があります。受験生にとっては、その高校に合格することが先決であると思われがちですが、面接官としては、目先のことだけでなく先を見通した考え--希望や目標--を持っている生徒を好むのです。高校生活で成し遂げたいことぐらいはまとめておきましょう。
E.一般常識について
面接官は、生徒がどれだけ社会について関心があるかを調べてきます。日頃から新聞には必ず目を通すように心がけましょう。新聞といってもテレビ欄やスポーツ面だけでなく、社会面を読むことにより、日本や世界の今現在の動きや、問題になっていることなどを理解しそれに対して自分なりの考えや意見を持っていることが大切です。今日からでもよいので新聞を読んでみましょう。
(例題)
・「いじめ」についてあなたの考えを述べなさい。 ・「日本と国際化」についてあなたの考えを述べなさい。 ・「環境問題」についてあなたの考えを述べなさい。
全高校共通---よくある質問
受験番号・名前・出身中学校名を言いなさい。
なぜこの学校を選んだのか理由を言いなさい。
趣味・特技を言いなさい。
自分の長所・短所を言いなさい。
尊敬する人について述べなさい。
入学後、何をしたいか。また、何を頑張りたいか。
将来の夢を言いなさい。
将来(卒業後)の進路の希望を言いなさい。
自分の余暇(休日)の利用のしかたについて話しなさい。
高校までの交通手段と所要時間を言いなさい。
好きな科目・嫌いな科目、得意・不得意な科目を理由をつけて言いなさい。
最近読んだ本について、題名と感想を述べなさい。
最近気になったニュースは何ですか。
中学校生活で印象に残ったことは何ですか。
中学の校長と担任の氏名を言いなさい。
面接試験がどのような形式と質問内容であるのかを理解できましたか。面接官は、今まで数多くの生徒を見てきているので、その場だけ自分をよく見せようとしても、少しの会話であなたの性格を見抜いてしまいます。面接の対策として重要なことは「日常生活において、礼儀や節度を身につけておくこと」そして「自分の考えをしっかりもつこと」です。受験生のみなさんにとって、面接試験は初めての経験でしょうが、緊張せずにこのページをしっかり読んで万全な態勢で面接試験に臨んで下さい。健闘を祈ります。