徒然日記その120. 高校も宣伝合戦? (11/5)
そろそろ受験シーズンの始まりである。私立中学校入試から始まって私立高校,公立高校と続く。その間に私立大学の指定校推薦やセンター試験,私立大学の一般入試に国公立二次試験などがある。高校受験では、そろそろ志望校を決めなくちゃいけない時期だ。中3のお子さんをお持ちのご家庭では色々大変な時期といえる。塾も忙しくなる季節である。さて、この忙しい時期にも塾には郵便がどんどんやってくるし電話もいろいろかかってくる。教材やコピー機の宣伝とか投資の勧誘とか、授業時間にまで電話がかかってくるのは勘弁して欲しい。
さて、塾にやってくる郵便物で、ここ2,3年で急に増えたのが高校案内のパンフレットである。以前からちょくちょく届いてはいたのだが、急に増えたように思う。それも同じ高校のが何度も来る。学校見学会のお知らせ・新年度の学校案内ができました・生徒さんにお配り下さい、等々。県外の高校までが送ってくるのにも驚くばかりである(京都や静岡から送ってきてもねえ)。
中学校が実際的な進路指導データを持っていない今、現実的には、中学生の進路(受験校選択)指導は塾がやっているに等しい。そのへんは高校側も承知しているので学習塾に高校案内を送ってくるのだろう。大手の塾には、高校の広報担当が回っているというし。しかし、ちょっと気になる。確かに選ぶ側からすれば情報は多い方が良いのだが、こういう宣伝のコストだって学費にはね返ってくるのだから。
あともう一点、気になること。私立高校の校名変更である。この2,3年でかなりの高校が校名変更した。男女共学化したところも多い。名前が変わることに異論はないが(OBは寂しいかも知れないが)、気になるのはその名前である。「xx大学」がつくところが実に多い。つまり「xx大学xxx高校」とか「xx大学附属xxx高校」である。まあ、学校法人は系列大学を持っているところが多いのでつける気になれば難しくはないのだが。では、なぜ「xx大学」をつけるのだろうか。私の勝手な想像はこうである。高校の名前に「xx大学」がつけば受験者が増えるから。世の中、楽をして大学に入ろうという風潮があるように思う。だから、名前が「xx大学xxx高校」とか「xx大学附属xxx高校」とあれば、エスカレーター式にその大学に入れるかも、と受験生(というよりもその親?)が考える(錯覚する)のではないか。確かに内部進学枠はある。しかし、みんながみんな内部進学できるわけではあるまい。
共学化にしても、穿った見方をすれば、受験者数増大を狙う意図があるんじゃないか。受験対象は2倍になるのだから。私立の学校の運営は、一面では「経営」である。だから、生徒が集まらなければ「経営」はたちゆかないのだ。だから莫大な広告宣伝費が必要になる。これは学費にはね返るだろうし、行政からの補助金だってもっと必要になるだろう。なにも学校「経営」が悪いとは言ってないのだが、少子化の世の中、生徒を奪い合う「経営」は様々な矛盾を産み出しかねないと思うのだ。
一つ前へ 次へ 塾日記目次へもどる トップページへ