徒然日記その143. 家庭での勉強量その2 (6/10)
新聞に、こういう記事が載っていた。以下、引用してみる。
日本の高校生、自己否定的?
「自分は駄目な人間だと思うことがある」という高校生の割合が日本では73%に達し、48%の米国、37%の中国を大幅に上回っていることが2日までに、財団法人日本青少年研究所(東京)の調査で分かった。また「計画をやり遂げる自信がある」という日本の高校生は38%にとどまり、米国の86%、中国の74%よりかなり低い。「あまり誇りに思えるようなことはない」と答えた割合も日本は53%で、米国24%、中国23%より高く、同研究所は「日本の高校生は自己否定的」と分析している。
調査は、日本と中国は昨年10−12月にいずれも高校生約1200人、米国では今年1−2月に約900人を対象に実施した。それによると「自分は駄目な人間と思うことがある」という日本の高校生は「よく当てはまる」が30%、「まあ当てはまる」が43%。1980年に同じ質問をした際より合計で14ポイント上回った。一方、日本の高校生が平日に家や学習塾など学校以外で勉強する時間は平均50分で、中国の147分の約3分の1だった。米国は平均60分。このうち「ほとんどしない」は中国が4%、米国が27%だったのに対し、日本は51%と飛び抜けて高かった。80年の調査では日本の平均時間は100分で、今回は半減し、逆に「ほとんどしない」は倍増した。
以上、引用おわり。
やはりというか、日本の高校生は全然勉強しなくなったようである。データが如実に物語っているわけであるから、「学力低下はない」なんて言う文部科学省の見解など嘘っぱちであることがよくわかる。
それはさておき、気になるのは「日本の高校生は自己否定的」であると指摘されていることだ。これは、「誉められた経験がない」高校生が多いことに原因があるのでは、と思う。人間、だれしも最初から自己否定的であるわけはない。成長過程で、失敗や成功を繰り返して、自己を確立していくものである。ところが最近は、学校でも家庭でも、失敗させないようにしようという雰囲気がある。「子供が傷つくといけないから」厳しい指導やしつけはしない、「子供が傷つくといけないから」運動会は同じようなタイムの子供と競争させる、などなど。こういうことをすると、子供たちは叱られたり落ち込んだりしなくなる。それと同時に、「頑張ったね!」「やったね!」と声をかけてもらう機会をも失っているのである。心身共に成長する時期に、こんなことを繰り返しているんだから、そりゃ自己を肯定的にとらえることなどできなくなりますよ。いつも「その他大勢のうちの一人」なんだから。やっぱり「生きる力」を奪っていますよねえ。
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