徒然日記その147. 気分はお医者さん (7/11)
「どうしてこんなになるまで放っておいたんですか!」塾に駆け込んできた子供とその親に思うことである。中2や中3の途中で入塾を希望してくるケースでは、こう思うことが多いのだ。成績はず〜っと低空飛行、いよいよ「ヤバイ」となって塾に駆け込んでくるパターンである。中1の最初の頃ならば、低学力生だってなんとかできる可能性は高い。時間があるからだ。ところが、中3の夏になって、なんとか公立高校の、しかも普通科に入れたい、となると厳しいものがある。通知表はアヒルの行進なのだ(アヒル=2)。
そもそも、英語や数学の授業に一度ついていけなくなると、追いつくことは至難の業なのである。分からなくなった所を教えている間に学校の授業はどんどん進んでいくのだから。教える側には大変な労力(情熱)が、教わる側には大きな意識改革が必要なのだ。本音を言うと、そういう生徒は引き受けたくはないんだけど、泣きつかれてしまってはむげに追い返すこともできないわけで、毎年膨大なエネルギーを消費するのである。労力の割には成果は少ないのが常であって、毎年、「あと1年早く来てくれたらなあ」と思うのだ。
大手の塾では、入塾基準や入塾テストで、こういう生徒を門前払いするようである。例えば「英・数・国・理・社の5教科がオール3以上」とか。さらには、「5教科以外の実技4教科も3以上」なんて基準があったりするようだ。学力と実技は関係ないはずなんだが、高校入試には内申点がある。これは全教科の評価の合計なので、5教科の評価が高くても実技の評価が低ければ内申点が少なくなる。だから、「そういう生徒もお断り」となるようである。これじゃあ、内申点のある生徒だけを集めて高校へ”平行移動”させてるだけだと思うんだけど。学習指導の成果がどれほどあがっているのかギモンである。高校進学実績を大げさに宣伝している所ほど、そういう傾向があるように思えるのは偏見でしょうかね。
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