徒然日記その156. 良いマンガと悪いマンガ (9/9)

 漫画家の内山安二さんが亡くなった。享年67歳。みなさんは、内山安二さんをご存じだろうか?中高生諸君は知らない世代だと思う。その親御さんならご存じかな?9月2日の毎日新聞から引用してみる。

---引用開始

内山安二さん67歳(うちやま・やすじ=漫画家)2日、大腸がんのため死去。葬儀は近親者のみで行う。自宅は横浜市港北区新吉田町3359の69。喪主は妻輝子(てるこ)さん。

 学習漫画の第一人者で、エンターテインメント化する漫画とは一線を画し、子供の成長を温かくサポートする漫画を描き続けた。

 1954年に毎日新聞西部本社に入社、毎日小学生新聞(西部版)の編集部で、大阪から電送された故手塚治虫さんの作品のにじみ修正を担当するかたわら毎小にイラストやニュースを題材にした学習漫画を描いた。

 81年に学習漫画を描く作家グループ「LACの会」を秋玲二さんらと旗揚げし、毎小や毎日中学生新聞のほか、小学生向けの学習雑誌などにも連載。女の子の「みこちゃん」やネコの「とらのすけ」、ロボットの「コロすけ」などのキャラクターは世代を超えて愛された。主な著書は「コロ助の科学質問箱」「できるできないのひみつ」「まんがで学習エチケット事典」など。

[毎日新聞9月2日] ( 2002-09-02-12:36 )

---引用おわり

 私は、この「コロ助の科学質問箱」で育った世代である。自然科学に関する疑問や不思議を、実に分かりやすく楽しく描いたマンガである。知り合いにもらったこの本を、ボロボロになるまで何度も読み返したものだ。最近ありがちな「テストができればいい」的な部分は一切無く、現象や概念の本質が、子供にも分かるように描かれていた。私が理科系に進んだのもこの本のお陰であるといっても過言ではないし、この本の読んでいたお陰で、小中学校の理科で困ることはなかった(というよりも、履修することは、すでに「理解」していたし、だから授業で先生にツッコミを入れてマークされていたかわいげのない生徒だったのだ)。貰い物のこの本は、やがて親戚にもらわれていき、いとこ連中を一巡した。それくらい素晴らしいものなのだ。

 懐かしく思って、インターネットで「コロ助の科学質問箱」を注文した。まだ廃刊になっていないことにも驚いたが、注文が殺到しているようで、納期が遅れるらしい。最近は、こういう良いマンガにお目にかからないですね。


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