徒然日記その262. 高校の未履修問題 無理が通れば道理が引っ込む  (11/6)

 

高校の未履修問題の続きである。調査が進むほど履修不足の高校の数は増えて、いまのところ以下のような状況である。

540校、8万3000人超に=未履修、全体の1割−伊吹文科相

 高校必修科目の履修不足問題で、伊吹文明文部科学相は1日、これまでの調査で公立、私立を合わせ8万3000人を超える高校3年生の履修漏れがあったことを明らかにした。同日朝の時点で私立2校(生徒数計500人)だけが未回答という。

 伊吹文科相は同日の衆院教育基本法特別委員会で答弁し「(国公私立)全体の5408校のうち、残念ながら10%の540校に未履修があった」と述べた。 

(時事通信) - 11月1日13時1分更新

実際にはもっと多いはずだけど。あとからバレちゃった高校はどう「処分」するのかもはっきり決めておくべきだろう。愛知県とか三重とかね。

さて、本来やらなきゃいけない授業を学校ぐるみでやってなかったわけである。必修教科の単位をとってなけりゃ卒業できなくて当然だ。ひどい高校は海外へ修学旅行にいっただけで世界史の単位として認定していたとか。それを50時間とか70時間とかの補習授業でチャラにするらしい。さらに、過去のことは不問にもするらしい。まったく呆れた対応である。

問題が発覚した当初、伊吹文科相は「きちんと履修した高校生に不平等にならないように対処する」と明言していた。正論である。が、あちこちからの圧力があったのだろう。態度を変えざるを得なかったわけだ。さて、この圧力、どこからきたのか。あちこちからきたのだろうが、履修不足高校の生徒や保護者の「寛大な処置を」という声も少なくなかったようである。これはおかしい。私は彼らに対して違和感を持つのである。高校が勝手にやったのかもしれないが、なぜ高校が「大学受験シフト」のカリキュラムを組むかと言いえば、彼らが高校の「予備校化」を望むからである。つまり彼らは純粋に被害者とは言えないと思うからだ。

被害者は、きちんと授業を受けて単位をとった生徒である。この被害者たちにとって不平等なことがまかり通ろうとしている。これは教育上好ましくない。だって、「やったもん勝ち」ってことを国が認めてしまったことになるからだ。ほんとにこの国は大丈夫なのか??


一つ前へ   次へ     塾日記目次へもどる   トップページへ