徒然日記その283. 大学入試のお話--理科系なの?文科系なの?(その1) (10/18)

 

高校1年生はそろそろ来年度のコース選択をする時期である。そう、文科系か理科系かどちらのコースかを選択するのだ。まだ高校に入って1年たっていないのにコースを選ばせるのには賛成しかねるのだけど実際ほとんどの普通科高校が2年生からコース別となる。(県立のC高校とかN高校は3年生からの選択だけど)

それで、そのコースの選択方法について、である。ほぼまちがいなく理科系クラスよりも文科系クラスを志望する生徒が多い。比率で言えば2:8とか3:7くらいか。では、なぜ文科系志望が7割も8割もいるのだろうか?

文科系志望者に選択理由を聞いてみると、多くは「数学が嫌いだから」「数学が苦手だから」と答える。では英語や国語は得意か、好きか、と聞いてみると「はい」という答えは思いの外少ない。つまり、英語や国語が得意であるし好きだから文科系の学部・学科に進学したいという積極的な理由ではなく、嫌いで苦手な数学を避けたいから理科系ではなく文化系を選択したということだ。

まあ、それが良いとか悪いとかを述べるつもりはないのだが、高校生諸君やその親御さんに聞いてみたいことがある。

数学と、英語・国語を比較して、同じ時間をかけたとしてどちらが実力を上げられるかを考えたことはありますか?

国語---とくに現代文---は一朝一夕で実力が上がるものではない。日本語の力とは、生まれてから十数年の間に身につけたものである。だから、その十数年に必死に勉強する1年,2年を加えたところで劇的な変化は期待できない。これが私の持論である。もちろん、短期間に驚くほど模試の得点を上げる例外もいるにはいるのだが、そういうのはごく一部であり、そういう高校生はもともと力があったのにテスト慣れしていなかっただけなのだと私は考えている。

英語にしても同様である。英語は、中学の3年+高校の3年=6年間学んだだけとはいうが、そのベースにあるのは生まれてから十数年生きてきた中で身につけたものである。だから国語と同様に必死に勉強する1年,2年を加えたところで超えられない壁がある高校生は多いと思うのだ。

古文は英語的な性質があるし(だって単語と文法がわかんなきゃ手も足も出ないでしょ)、漢字を表意文字として捉えられなきゃ漢文の大意などつかめないはず。

数学が嫌いというだけで文科系を選んだキミ、国語や英語とガチンコ勝負する覚悟はあるんだよね?

 

(このテーマは次回に続く) 


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