徒然日記その86. 大学の推薦入試?? (2/16) 

 大学入試おける推薦制度について書きたい。前回、学習内容削減は「国を滅ぼしかねない」と述べたが、この推薦入試制度も「国を滅ぼしかねない」と思うのだ。そもそも大学受験においては推薦枠が多すぎる。本来、推薦とは筆記試験するまでもないくらい優秀であると認められる学生を高校側が責任を持って推薦し、大学側が責任をもって受け入れるものだと思う。ところが、実際はそうではない場合が多いのではないか。

 理想論と言えばそれまでかもしれないが、実際があまりにひどすぎる。要は、高校側はどこかの大学に引き受けてもらいたいし大学側はとにかく学生を確保したいだけではないか。高校や大学の思惑の中で、受験生はどうなるか。推薦で大学に入学した学生を見るとよくわかる。

 推薦で合格した学生に共通するのが「必死になれない」ということである。すぐに楽な方に流れてしまうのだ。この原因は明白であって、「必死になって」受験勉強したことがないのである。少年期・青年期に必死になって取り組むものの1つが受験である。つまり受験勉強。高校受験における推薦入試は以前書いたが、高校受験で推薦を経験した者は大学受験でも推薦を望む傾向が強い。楽な方に流れるのだ。ということは、大卒でも「まともな受験」を一度も経験しないまま社会に出ることもあり得るわけだ(私は一部を除いて推薦入試は「まともな受験」とは考えない)。これはちょっと怖いことだと思いませんか?受験以外で必死になれるものがあればいいのだが最近はそういうものが減っているようにも思う。さきほど「一部を除いて」と書いたが、そういう理由で、例えばスポーツなどの推薦は悪くはないと思うのだ。必死に打ち込んだ経験を持っていればどんなことに直面してもなんとか頑張れると思うのだ(脚註1)。大学で、いわゆる体育会系サークルに所属した学生の就職内定率が高いのもそういう所に理由があると思う(縦のつながりが強いのでOBが引っ張ってくれる部分もある)。

 いずれにしても、現状の推薦入試制度は決して良くない。これは高校受験にも大学受験にも当てはまることだと思う。正々堂々と学力一般入試で正面突破できる学力と気力を身につけたいものである。


脚註1)大学や高校が、スポーツ選手を「広告塔」に使うのはいやな感じだが。

*(スクールネットより)受験期なので、予定を繰り上げて掲載しています。

 

 


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