子育て日記 その4 2006.9.8.
受験 初春
長男は、中学3年生になった。進路の希望を親に書いてもらってハンコもらって来いなどという宿題を持って来た。
「何だそれ?」というのが感想だ。そう思ったのには二つの理由があった。最近の中学校は進路の助言などしないと聞いていた。中学生を持つ高校教員の友人でさえ、中学は卒業生動向さえも発表しないと怒っている。希望を書けば指導するのか?!模試もやらず、中高の調整もなく、指導もしないなら受験なんて勝手じゃないか。というのが一つ目。もう一つはそもそも、俺が高校へ行くのではない。来年には就職して社会人になるような大人が行こうというのだ。自分のことくらい自分で考えさせたらどうか。まだ3年生が始まったばかりだ。最終的に「こうしたいからこうさせてくれ」という局面でもない。親の意見が要るのか、または自分の意見でいいのか、自分の道を決めるにはどうしたら良いか?ということは一生つきまとう。まず、自分の頭で考えろと言いたい。しかも、そもそも親に書いてもらえとかハンコもらえとか、エビデンス(証拠)を要求するのが気に入らない。自分で考えて、必要なら親と話し合えくらいのことは言えないのか?!
ブツクサ中学校批判をしても仕方がない。ハンコ打てというので、深夜長男とヒザを交えた。
以前から高校の話が出れば、家から一宮高校が一番近いから、一番近いところへ行けなどと言ってきた。2年生の評定で40は超えたのでなんとかなるだろう程度に考えていた。さすがに3年生になると、詳細な受験情報誌が無頓着な私の手元にも来る。長男は情報誌と模試の結果を持って来てこんな具合だという。それを見比べた・・・。
・・・一宮高校ってのは、こんなに難しいのか。情報誌を見ながら、ここから官僚になっていくのだな。天下国家を語り我々の生命財産を左右していくのだな。なんて思った。
「入れねぇじゃないか」そう言うと、「なんとかする」と長男は言う。なんとも口だけは頼もしいが、偏差値の高い学校へ行くことが良いことだと思っていない。目標に向かって駆けて行くことが貴い。それが受験でもいいと思うだけだ。「じゃ、ここに一宮、西、東海、滝って書けばいいんだな」と言うと、さすがに東海っていうのはやめてくれと言った。
重要なことほど、真剣に相談に来るまでは、できるだけ口を挟まずにいた方が良いと思っている。親の本音が、いつしか子供の意見になってしまわないように。
1つ前へ 次へ 子育て日記の目次へもどる トップページへ