高校を訪ねて・・三河編 その3「杜若(かきつばた・・トジャク)」
今回の撮影校の一つに、「杜若(読み方:トジャク)高校」がある。「杜若」とは、いわずと知れた愛知県の県花、「かきつばた」のことである。出典はご承知のように、伊勢物語、東下りの段にみられる「かきつばたの五文字を頭に据えて詠んだ、〜唐衣 きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる 旅をしぞ思ふ」による。但し、伊勢物語では「三河の国 八橋」となっており、これは現在の知立市だそうな。杜若高校は、豊田市にある。
在原業平のゆかりの地、「無量寿寺」「在原寺」は知立市の東部にある。ここまで来たからには寄らない手はない。しばらく「みち草」をすることにした。
かきつばたの花の時期は終わり、実がなっていたが、立派な庭園だ。文人たちも多数この地を訪れている。句碑がそれを証明している。中でも一番気に入ったのが・・
かきつばた 夏もむかしの なつならず (井村祖風)
業平のあの有名な、
月やあらぬ 春や昔の春ならぬ 我が身ひとつは もとの身にして
を踏まえた俳句であろう。