徒然日記その116. 子ども達の食生活  (10/9)

 あるテレビ番組を見ていて驚いた。子ども達の食生活がすさんでいることは知っていたが、原因はやはり親であった。子どもの好きな物しか食べさせないのだ。わざわざ親と違う料理を作ってまで、子どもに好きな物を食べさせるのである。そんな親はごく一部かと言えばそうではないらしい。「みんなそうしていますよ」と母親は平然と語るのだ。子どもに好き嫌いができる以前に、嫌いな物を経験すらしないのである。好きな物ばかり食べていれば栄養も偏るし、食べられるものが限られてしまう。トンデモナイ親が多いものである。

 さらに、同じ番組で。ある家庭の朝食風景である。兄弟二人がテーブルでおにぎりを食べていた。「朝食を食べない子どもが多いというのに、ちきんと食べさせる母親はなかなか偉いなあ」と見ていたら、何かヘンである。おにぎりはラップで包んである。飲み物は紙パックのジュース。ここでその母親の登場である。「朝は忙しいので洗い物が出ないように、お皿やお茶碗は必要ないようなメニューにし、おにぎりも前の晩に作っておく」と自慢げに説明するのだ。さらに、自分(母親)は、キッチンで朝食である。「この方がはかどる」のだそうである。

 朝は確かに忙しいのだが、なにも子ども達と別々に食べなくてもよいと思うのだが。そんな調子であるから、子ども達との会話などあるわけない。一分一秒をケチって、失う物の方がずっと多いと思うんだが。食卓でのコミュニケーションが家庭のコミュニケーションの第一歩だと思っている私は古くて非合理的な人間なのだろうか。今日は何があるとか、今夜は何を食べたいとか、今日学校でこういうことがあったとか、食事をしながら会話するのが家庭での最も重要なコミュニケーションだと思うんだが。

 ただ食べるものや必要なものを与えるだけが親の役割ではないはずである。それ以外のとても大切な役割を分かっていない親が増えたということだろう。これでは家庭が崩壊するのも無理はない。今後、こういう家庭はどんどん増えていくのであろう。お先真っ暗である。あーあ。


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