徒然日記その117. 子どもがヘンだ  (10/15)

 前回の続きを書いてみたい。ついにここまで来たとうか、もう手遅れというか、子ども達はすっかり病気になってしまったようである。新聞の特集記事を読んでいて驚いた。子どもの体温調節機能が働かないのである。だから平熱が36度未満になってしまうというのだ。以下、一部を引用してみよう。

(毎日新聞2001年9月19日夕刊)

子供の低体温傾向が問題になっている。平熱が36度未満の子供も目立つという。子供の体の変化を長年調べている「子どものからだと心・連絡会議」議長の正木健雄・日本体育大大学院教授(教育生理学)は、低体温傾向だけでなく高体温傾向も指摘する。「子供が変温動物のまま成長している」と警告する正木に聞いた。(以下、省略)

平熱35度台の児童は、昭和初期には2〜3%だったのが1991年には7〜8%に急増していて、現在も増加傾向にあるそうだ。こういう低体温児童は、高体温にもなるらしい。ある子供は、朝起きたら体温35.5度。学校に行く頃には37度に急上昇し、給食を食べる頃37.4度と1.9度もの変化があったそうだ。これじゃまるで変温動物である。暑いとき、簡単に熱中症になるのも体温調節機能がおかしいからなのだ。

 なぜこういうことになるかというと、乳幼児期の暮らしに問題があるらしい。ご存じの通り、体温調節は汗がやってくれる。暑けりゃ汗がどんどん出るし、寒いと汗腺(汗の出るところ)が固く閉じて"鳥肌"になるあの仕組みである。この汗腺の数は、3歳までにどれくらい汗をかいたかで決まるらしい。まさに三つ子の魂である。現代の乳幼児は冷房の中で過ごして汗をかかない。それゆえ、汗腺が未発達のままとなるらしい。

 では、もう改善しないかというとそうでもない。人間には自律神経があって、体温調節機能をバックアップしてくれるそうだ。つまり不十分な体温調節機能を自律神経が助けてくれるのだ。ところが子どもの多くは、自律神経までおかしくなっているそうだ。90年代の調査では80%以上(!)の子どもに自律神経系に異常がみられたというのである。

 自律神経は、規則正しい生活をして、暑いときにはきちんと汗をかくことで発達するそうだ。見方をかえれば、異常のある子どもはそれをしていないことになる。家の中にこもってテレビゲームである。「子供は風の子」とはよく言ったもので、寒くても暑くても元気に外を走り回っている子は体温調節機能にも自律神経にも何の問題もないらしい。「子供の仕事は遊ぶこと」だと私は思っている。遊びの中で体力も知恵もつくと思うのだ。

 お宅のお子さんは大丈夫ですか?涼しくなって長袖を着るようになったのに、足元だけはいまだに「素足にサンダル」だなんて、ヘンだと思いませんか?「頭寒足熱」の逆を行ってるんだから体温調節機能がおかしいんじゃ・・・。


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