徒然日記その149. 読まれない問題 (7/22)

 小学生を教えていて、気になることがある。問題文をきちんと読まないで問題を解こうとする生徒が随分増えたことだ。算数や数学の文章題だけではなくて、国語や理科や社会でもそうなのだ。「間違っているものを選べ」なのに正しいモノを選ぶし、「記号で答えよ」なのに選択肢をそのまま写すのである。こういうことを繰り返す生徒に共通するのが、落ち着きがないことである。すなわち注意力散漫でる。

 落ち着きがなくなった(というより、落ち着きが「育たなかった」と言うべきか?)原因は何だろうかと考えたことがある。結論は、それまでの「ものごとに取り組む姿勢に問題があった」である。ビデオは早送りして見る・テレビゲームでうまくいかないとすぐにリセットである。本だって読まないし。毎日、こういうことを繰り返しているだけで、じっくり物事に取り組んだり、考えたりしたことがないのだから、落ち着きが育っていないのだ。こう言う子供は色々と問題が多い。四六時中どうでもいいことをペラペラしゃべり続けるとか、うろうろ立ち歩くとか。

 そのまま中学生や高校生になろうものなら、難問といわれるたぐいの問題は、もうお手上げである。この「お手上げ」とはどういう状態かというと、最初から「問題を読もうとすらしない」のだ。小学生の算数で、二段階とか三段階の計算や思考を経て、初めて答えに到達するような問題がまるで出来ない子は、そういうふうになる予備軍と言えるかも知れない。


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