徒然日記その150. 子供の携帯電話って。  (7/29)

 いよいよ携帯電話が小中学生に「普及」してきたようである。子供たちは、みな携帯電話を持っている。そして、やっぱりメールの出しっこである。カメラ付きの携帯電話もものすごい勢いで普及しているようで、なんでもかんでもパシャパシャやっている。

 さて、この携帯電話。子供たちの使い方を観察していて、ちょっと怖くなったことがある。携帯電話で、漢字や言葉の意味を調べているのだ。なるほど、iモードなどでwebサイトが見られるのだから、辞書サイトも使えるわけである。確かに便利なものだが、やっぱりちょっと怖いと思う。思い出してみてほしいのだが、我々の子供時代には、携帯電話もパソコンもなかった。だから、言葉の意味は辞書で調べなければならなかった。そのおかげでずいぶんと言葉を覚えたものである。ところが、ワープロ専用機とか(パソコン用の)ワープロソフトを日常的に使うようになって、漢字を思い出せないとか、書けなくなったとかを経験したはずである。仮名で入力して「変換」すればたちどころに(勝手に)漢字にしてくれるのだから、何も考えなくなるのだ。だから、漢字自体に頓着しなくなって頭からどんどん消えていくのである。だから、ヘンな変換を見落とすようになるのである。また、多くの雑誌などで誤変換を必ず発見できる。雑記のライターや編集者も同じ「病気」にかかっておるようだ。

 一応、子供時代---漢字や言葉を一番身につける時代---には、ワープロなんてなかった我々の世代でさえ、このザマである。漢字や言葉を一番身につける年頃に携帯電話を辞書代わりにして育った世代の日本語は、果たしてどうなってしまうのだろうか。ちょっと怖いものがある。


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