徒然日記その152. 形骸化する通知表 (8/12)

 中学校で、絶対評価が導入されて初めての通知表がやってきた。名古屋市の場合は外見がふた周りほど大きくなったが、中身(レイアウト)は変わらないようだ。さて、問題は評定---つまり書き込んである1から5までの数字---である。3年は絶対評価と相対評価の併記である。私の知る限りでは両者の間に極端な差のある生徒はいない。まあ、どのみち入試は相対評価を使って行われるんだから絶対評価に興味はないのだけど。

 一方、1年と2年は絶対評価のみが記載されている。これを眺めて思ったのは「ますます実際の学力と乖離してきたなあ」ということだ。今までの通知表だって学力をちきんと反映しているとは言い難かったんだけど、それがますますひどくなったと感じるのである。特に、低学力層の成績が高く出過ぎていると思う。絶対評価の評価基準は一体どんな風に決めてあるのか知らないのだけど(中3と違ってたりして)、こんな学力で3がついちゃうの〜?という3がたくさんある。英語の教科書をまともに読めなくても3がつくのだ。

 これじゃあ小学校の通知表が変わって起こったことが中学校でも起こるだろう。そう、勘違いである。勘違いしちゃって、自分は(うちの子は)勉強についていけてる、と思ってしまうことである。落ちこぼれ状態なのに通知表を見ても気づかないのである。そりゃ3がついてれば大丈夫だと思うわな。さらに、こんな通知表を高校入試にそのまま使ったらどうなるんだろうか。大混乱だろう。さて、愛知県はどうするんだろうか。さっさと平成16年度の高校入試(今の中2の高校入試)要項を発表しておくれ。他県の模様眺めなんかしてる場合じゃないでしょ。

 


乖離(かいり):そむきはなれること。はなればなれになること。

 


一つ前へ  次へ     塾日記目次へもどる   トップページへ