徒然日記その176. IT化の進み具合 (3/17) 

 今回はITのお話である。インターネットのお話である。このページをご覧になっている方は、インターネットにアクセスしているわけだ。当たり前だよね。それで、このインターネット、最近でこそブロードバンドが普及して随分と速度が向上したのだけど、やっぱりまだ十分とは言えない。みんながみんなブロードバンドではなくてアナログ接続の人もいるわけであるし、ブロードバンドといっても本来のスピードがでるとは限らないし(このことはずいぶん前に書いた)。

 さて、意外と気付いていない人が多いだろうけど、インターネットの速度アップには、ホームページを作る側の意識が重要なのである。ホームページ(webページ)を表示させるということは、そのデータをインターネットを通してダウンロードしてくるということである。文字やら画像やら場合によっては音声のデータなどを、である。だから、そのデータが多ければ表示に時間がかかって遅く感じるというわけだ。つまり、ホームページを作る側が、できるだけ少ないデータで目的の内容を表示(表現)できるように工夫すれば、そのページは速く表示できるのである。ところが実際には、そんなことを考えて作られているホームページは少ない。個人のページだけでなく公的機関のホームページもそうである。

 例えば、愛知県教育委員会のホームページがそうで「あった」(過去形である)。毎年、愛知県公立高校の募集締め切りが終わると、このページ上で最終志願倍率が公表される。それはよいことなのだが、公表される一覧表が、なんと画像データだったのだ。手書きの表をスキャナでスキャンした画像データがそのまま貼り付けてあったのである。画像であるからそのデータの大きさは数百キロバイトになってしまい、表示するのにとても時間がかかったのだ。しかも、公表と同時に一斉にアクセスがあるのだから、込み合っていてますます遅い。

 単に文字と数字のデータなんだから、画像にする必然性は全然ないのである。だたらこれは完全に手抜きである(あるいは、担当者がオマヌケであるということだ)。ところが、ついに進歩したのである。今年の公表データをご覧になった皆さんはもうお分かりだと思うが、データがpdfファイルになったのである。画像データじゃないからデータ量は数十分の一で済む。だからすぐにダウンロード完了である。この時、私は教育委員会をちょっとだけ見直したんだけど、あちこちの掲示板を眺めていて、それが間違いだったということに気付いた。「見方が分からない」「うちのパソコンだと表示されない」なんていう書き込みを見つけたからである。そういえば、愛知県教育委員会のホームページには、「pdfファイルです」という注意書きはあるけれど「pdfの開き方」や「アクロバットリーダーのダウンロード先」がいっさい書かれていないのである。せっかくpdf化して「軽く」なったのに片手落ちである。やっぱり担当者はオマヌケだね、と考え直した次第である。いまどきpdfファイルの開き方が分からない方にも問題があると思うんだけど、公的機関なんだからそういうエンドユーザーのことも考慮する必要があると思う。

 今回の件では、情報を発信する側も受け取る側も、まだまだスキル不足だということがよく分かった。未だにメールと掲示板への書き込みが区別できない人も少なくないようだし、真のIT化は遠いと感じる今日この頃である。


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