徒然日記その196. ながら族のぱなし勉強  (10/6)

 

 学力低下の一因として、勉強のやり方のわかっていない子供が増えたことが挙げられる。例えば「ながら勉強」である。音楽やラジオを聴きながら、テレビを見ながら、などなど。ながら勉強しかできないキミをパソコンに例えてみると、マルチタスクをこなすCPUである。簡単な作業を同時進行する程度ならスピード低下は気になるほどではない。しかし、複雑なことを同時進行すると(例えばカラープリンターで大きな写真を印刷しながらワープロをやってみたまえ)とたんに遅く感じるはずだ。CPUがペンティアム4やPowerPC G5 みたいに超高速ならそれでも十分速いだろうが、もっともっと複雑なことを始めると遅くて使い物にならなくなる。中学時代にはながら勉強が通用していても高校になると全然ダメなのは、こういうことなのだ。

 そもそも、どうして勉強しながら他のことをしなくちゃいけないだろうか。心を落ち着けて一つのことに集中できないのだろうか。それができないのは大問題だ。

 また、ぱなし勉強する子供も増えてきた。やりっ「ぱなし」勉強のことである。ノートをとったらとりっ「ぱなし」。見返したことなどない。じゃあ何のためのノートなんだ?問題集をやったらやりっ「ぱなし」。問題集とは出来なかったところをやり直して初めて意味あるものになるはずなんだが。学校のテストだってそうである。返却してもらう時に説明してくれるはず。だったらそのノートで復習するのが当然のはずなんだが。

 なんでもかんでもやりっぱなしである。「その場限り」とも言えるか。こんな事を繰り返していたってなんの進歩もないのである。こういう「ながら族」や「ぱなし勉強」が実に多い。学力が低下する一方なのは当然なのだ。


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