徒然日記その195. 学校でもタワケの拡大再生産?? (9/22)
多くの学習塾は「真の学力」を向上させることはない。いやむしろ「真の学力」を低下させてしまう。これまでにもこういうことを何度か書いた。これはナゼかというと、学習の本質から離れた指導をするからである。そしてそういう指導を受けた者が講師となってまた同じことを繰り返すのである(私はこれを「タワケの拡大再生産」と呼んでいる)。その結果、子供たちの学力は下がる一方である。通塾率がこれだけ高いにもかかわらず子供たちの学力があがらないのは、塾にも原因があることは明白である。
さて、今回のお話は塾のことではない。中学校のことである。ある中学校の数学の試験問題をチェックしていて驚いたのだ。配られた解説を見て驚いたのである。道のりの文章題の解説である。なんと!いきなり「はじきの絵」が出ているではないか。「はじきの絵」とは、道のりを考えるときの3要素--はやさ・じかん・きょり--の関係を絵にしたものだ。「はげたじーさん木の下に」なんて教えるところもあるようだ。
この図を使うと、簡単に距離や時間を表せる。例えば、時間を表したいなら、時間の「じ」をかくして、
じ=は÷き
とわかる。しかしこんなものを使って問題を解けたって(解けたとは思えないのだが)何の進歩もないのである。塾はとにかく得点させたいのでこういう邪道を教える。いってみれば必要悪である。じゃあ、学校が教えるのはナゼだ?学校とは学習の本質を教えるところのはずなんだけど。
思うに、学校でも、こういう邪道を教わった世代が何の疑いもなく同じ邪道を教えはじめたのではなかろうか。ついに学校でもタワケの拡大再生産が始まったということだ。日本の将来は暗い。
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