徒然日記その244. 最近の中学校 「ここはテストに出さないからね」  (11/16)

 

 中学校のテストのお話である。中間テストや期末テストには、出題範囲がきちんとある。この出題範囲、中学校によって、また教科によって、随分と書き方に違いがあるのをご存じだろうか。どう違うかというと、範囲の表記の仕方である。例えば、ある教科の教科書の1単元がまるまる範囲だったとしよう。普通は「p.50からP.75」という具合に書いてある。付随して「教科書の太字は漢字で書けるようにしておきましょう」とか「対応するドリルのページも勉強しておきましょう」などと書かれている。これが普通だ。

 では「変わった」表記はどんなものか。同じ範囲だったとしても次のようである。「p.50からP.75のうちの、p.50から58とp.65から67」という具合なのである。つまり、わざわざ出題しない部分を教えてくれているのである。これでは、中学生は出題しない部分をまるっきり勉強しない。当然である。なんのためにこんな表記をするのだろう。想像するに、勉強すべき量を減らして、勉強する気を起こさせようとしているのではないだろうか。「たったこれだけなんだから勉強しなさい」「これだけなら勉強できるよね」という風に、である。

 だが結果は思わしくないようだ。経験的に、出題範囲の「変わった」表記をしている中学校は、どんどんレベルダウンしていると思うのだ。最近、身近な中学校のある学年でも、このような出題範囲の「変わった」表記を始めたが、生徒たちの学習意欲は下がる一方だと感じるのである。そもそも、「たったこれだけだから勉強しなさい」「これだけなら勉強できるよね」なんて言われても、今まで勉強しかったヤツは勉強しないのである。そして、今まではこつこつ勉強してきた生徒までもがきちんと勉強しなくなるのである。「出題しない」なんて部分は勉強する気になれないからである。

 最後に中学生諸君に忠告である。中間テストや期末テストで「出題しない」なんて言われた部分も、高校入試には出題されるんだよ。


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