徒然日記その267. 最近の中学校 上皿天秤は面倒くさいから (1/19)
「上皿天秤は面倒くさいから電子天秤で実験をします。」---これは中学校の理科の授業での教師の言葉である。中1の理科で、上皿天秤の使い方を習う。第一分野の「力や圧力」の単元の次の単元である。実際に上皿天秤を使って実験をして、分銅の扱い方や精密機械(上皿天秤)の扱い方を体験するわけである。
この時、「質量」と「重量(重さ)」の違いも教わる。(上皿天秤を使えば地球上だろうと月面上だろうと同じ測定結果となるが、バネはかりだと重力の大きさの異なる地球上と月面上とでは測定結果が異なる理由を習うわけだ)
ところが、「上皿天秤は面倒くさいから電子天秤で実験をします。」なのだ。ちょっと待って欲しい。一体なにが面倒なのか。上皿天秤を準備するのが面倒くさいのか、分銅やピンセットをおもちゃにする生徒を静かにさせるのが面倒くさいのか。
確かに、重さをはかるだけなら電子天秤は便利で簡単である。デジタルで数値が表示されるのだから、それを読みとるだけである。しかし、それではブラックボックスではないか。扱い方を間違っていてでたらめな数値が表示されていてもブラックボックスでは気づかないのである。
理科という教科は、身の回りからブラックボックスを無くす教科ではなかったのか。ものの仕組みや原理を学ぶ教科のはずなのである。中学校の授業はいったいどうなっていくのだろう。
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