徒然日記その271. 最近の高校 特進コースの「?」な大学受験指導  (2/25)

 

愛知県の私立高校でも、進学指導に重点を置くいわゆる「特進コース」を設置するところが増えた。このことについて徒然日記その255. 名ばかりの…(その2)でも取り上げたのだが、その続きを書こうと思う。今回は、特進コースでの大学受験指導についてである。 

以前にも書いたが、入試で合格点をとるためには学力だけでなく、その学力を試験時間内に出し切るトレーニングが必要である。このことを知っている高校生は思いの外少ないのだが、私立高校「特進コース」の先生がたも「そうなのか?」と感じることをよく聞くのである。

最近の私立大学入試は試験方式が多様化しているし試験回数が大変多いので、どの大学のどの学部をどの試験で受験するかを決めるのはなかなか難しい。その結果、A方式(前期日程)だけて10回近く試験を受ける高校生が普通になってくる。できるだけたくさん受けておけば安心できるという受験生心理は理解できるが、あまりにたくさんだとセンター試験が終わって2月になったら毎日毎日私大受験が続くのである。これでは落ち着いて勉強する時間などとれないし、疲れてしまって体調を崩す者も出てくるのだ。

繰り返すが、試験時間内に持っている学力を出し切るには大学ごとの出題パターンとか出題教科に合わせてトレーニングする必要がある。それを怠れば答案用紙に実力を全部吐き出すことは不可能なのである。(私は生徒に「その大学にアジャストしろ」と教えている)

ところが、多数の大学を受験する場合には、アジャストする時間が足りないのである。要するに手当たり次第に受験するので、大学ごとの試験の準備がおろそかになるのだ。そうなってくると悪循環が始まって、受けるところ受けるところ次々に不合格通知が届く。

生徒たちの話を聞いていると、一部の「特進コース」では受験回数を絞るどころか「どんどん受験しろ」という受験指導が行われているようである。どうみても実力不相応な大学をいくつも受験するよう勧めるのである。「瓢箪から駒で受かったら高校の実績になってラッキー」だなんて思ってないだろけど、大学受験というものを分かって指導がなされているのか疑問に感じるのである。  


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