徒然日記その276. 最近の高校 水増し大学合格者数  (7/20)

 

こういうニュースがある。

読売新聞ニュース(7月20日14時44分配信)

「73人合格」実は受験生1人、大阪の私立高が実績水増し

大阪市住吉区の私立大阪学芸高校(近藤永校長、生徒数約1500人)が2006年度の 大学入試で、成績が優秀だった1人の男子生徒に志望と関係のない学部・学科を多数 受験させ、合格実績を事実上水増ししていたことがわかった。

関西の有名4私立大(関西大、関西学院大、同志社大、立命館大)の計73学部・学科に 出願しすべて合格。受験料計約130万円は同校が全額負担していた。大学入試センター 試験の結果だけを利用して合否を判定する入試制度を利用したもので、合格発表後、 生徒側に激励金名目で5万円と、数万円相当の腕時計を贈っていた。文部科学省は 事実関係を調査する方針。

関係者などによると、同校は5年前、4私大などを受験する生徒の受験料を負担する 制度を設けた。規定は非公開で一部生徒だけに告げられる。

これを読んで、「インチキする高校もあるんだなぁ」と思ったアナタ、甘いです。似たようなことは多くの高校でやっているのだ。何も私立高校に限った話ではなく、公立高校だってそうなのだ。かく言う私も公立高校3年の時に「私大の文系学部も受験したらどうか?君なら全部合格するはず。」と担任に勧められた経験がある。私は理系だったし、行く気もないのに受験するなんて時間と受験料の無駄だから断ったが。

なぜ高校が血眼になって大学合格者数を稼ぎたいのだろうか。それは、世の中が大学合格者数で高校のレベルを判断しようとするからである。しかし、この記事からもわかるように、公表されている大学合格者数が信頼できるものか怪しい場合もあるのだ。最近ではほとんどの私大がセンター出願できるようになった。これはつまり、センター試験を受験するだけで複数の私大に出願できてセンター試験の点数だけで合否が決まるのである。国公立大の受験生、特に旧帝大クラスの受験生はセンター試験で高得点するのであるから、ほとんどの私大なら出願するだけで合格である。つまり受験生一人でいくつもの私大に合格するのである。こんな調子だから、単純な大学合格者数だけでは高校のレベルをはかれないのである。


一つ前へ   次へ     塾日記目次へもどる   トップページへ