徒然日記その297. 最近の中学生・高校生 成績に入らないと真剣にやらない (4/9)

 

ちょっと前に報道されたOECD(経済開発協力機構)による15歳の学習到達度調査の結果について書こう。この「15歳の学習到達度調査」とは、世界じゅうの15歳生徒を対象にして共通の学力テストをやるというものである。その結果から、世界レベルでみてその国の学力がどうかとか、前回と比較して上がったとか下がったとががわかる。

日本ではゆとり教育による学力低下がいわれていて、このOECDの調査結果がその根拠となることが多いようだ。日本の順位は次のようである。

日本の順位

2000年

2003年

2006年

数 学

1位

6位

10位

読解力

8位

14位

15位

科 学

2位

1位

5位

なるほど表にしてみると日本の順位は年々下がっている。ひどいものだ。が、原因は色々考えられるのであって、単純に「ゆとり教育のせいで学力低下」とは言えないようだ。くわしくはリンク先を読んで欲しいのだが、一部引用してみると、

読解力については、むしろビデオゲームや携帯電話やDVD等の低年齢層への普及、絵本や児童文学書の使用低下など、ゆとり教育以外の原因を検討すべきである。

と書いてある。私もこの意見に賛成である。私も、ビデオゲーム(テレビゲーム)や携帯電話の学力に対する悪影響はたいへんなものであると実感している。

さて、私が言いたいことはそういうことではない。テストの得点が低い原因として、私はもう1つ挙げたいのだ。それは、中学生や高校生たちが「成績に入らないとテストに真剣に取り組まない」ことである。「このテストは成績に入れるぞ」と言われた途端に試験勉強をするしテストにも一生懸命取り組む。宿題にしてもそうである。「成績には関係ないからね」と言われたら宿題をやってこない生徒のなんと多いことか。

勉強というものは自分のためにするものである。試験勉強だって宿題だって自分のためにするものなのだ。目先の成績にこだわっていては、学習から学問へはつながらない。日本では勉強の動機付けからして違っているように思う。学力低下が止まらないのは、こういう本質的な部分が間違っているからではないのか。そうだとすると、学力だけじゃなくて国力の低下も止まらないかもね。


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