徒然日記その298. 最近の公立高校 予備校化するの? (5/10)

 

愛知県では、私立高校は進学指導に熱心で、公立高校は生徒の自主性に任せる、という風潮があった。そう、「あった」という過去形である。最近では大学進学実績を公式ホームページに掲載する公立高校も増えてきたし、公立高校の先生同士で「勝った」「負けた」をやっているらしい。

この「勝った」「負けた」はどういう情報に基づくかというと、センター試験の自己採点集計である。センター試験の自己採点データは、予備校にかき集められて集計される。集計カードには在籍高校名も記入するので、高校ごとのセンター試験平均点も「内部資料として」出てくるわけなのだ。先生方が真剣な顔で、「ライバル校に勝った」とか「今年初めてK高校に負けた」とか「来年度からどうします?」なんてやっている姿を想像すると、ちょっと違うんじゃないの?とも思うのだが。

まあ、こういうことは昔からあったのだが(A高校 vs N高校とかね)、生徒の自主性に任せるのがモットーだった市内公立伝統進学校でも「勝った」「負けた」が始まったようなのだ。新年度から補習授業が増えたとか小テストの頻度が上がったとか自習環境が急に良くなったとか、こういうことが、センター試験平均点が○○高校に負けたからなんていう理由で行われるようになってたりしてね。

勉強することはよいことだし学力は高い方がよいとは思うけど、無理に勉強させたり無理に学力を高めることが優秀な人材を輩出することにはならないとも思うのだ。するべき時に自主的に勉強するとか互いに高めあう「空気」というものが公立伝統進学校にはあったはずである。こういう「空気」は一朝一夕でできあがるものではない。この貴重な「空気」を高校自らが壊していくようで心配である。


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