徒然日記その299. 最近の中学生 代入すらわからない (6/11)
ちょっと前に、数学のイコールを正しく使えない中学生が増えたことを書いた。あれからさらに学力崩壊は進んで、最近では代入の意味をしっかり理解できない中学1年生が増えている(代入の考え方は、中1の一学期に習う)。その結果、中2で習う連立方程式の代入法がわからない中学2年生が大量発生するのだ。
考えてみれば、数学は抽象概念を扱う教科である。算数とは違うのだ。だから具体的な数を計算するだけでなく、文字で置き換えたり自然に存在しない数を扱ったり。マイナスの数も文字の式も抽象概念の入り口なのだ。
こういう抽象的なことを考えることが出来ない中学生が増えている。さらに、どういう風に出来ないかも問題だ。ちょっと抽象的な出題があると手をつけないのだ。ハナから解こうとしないのである。で、こういう時に先生はどうするかというと、具体的でわかりやすいことがらに置き換えて説明するのだ。
抽象的思考につなげるための出題を具体的なことがらに置き換えるなんて、出題意図を否定しているようなものである。こんなことを繰り返しているからいつまでたっても抽象思考に目覚める生徒は現れないし、本来なら抽象思考が得意になるはずの生徒の潜在能力まで殺してしまっているのだ。
「等式や不等式の証明を避けて通る高校生が増えた」とお嘆きの高校数学の先生方、こういうことが原因なんですよ。どうしますか?
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