徒然日記その306. 最近の高校 授業の進度 (12/3)

 

師走である。センター試験が迫り、いよいよ受験シーズンである。高校3年生はセンター試験の準備もあるし、国公立大学二次試験や私立大学一般入試の対策もやらなくてはいけないから、毎日が時間との戦いである。

毎年、高校3年生のこういう姿を眺めていて思うこと。高校によって授業の進度がまるで違っていて、その影響がモロに受験勉強に効いている、ということだ。

中高一貫私立高校では、高校1年で数学II・数学Bまで終わっているところもあるし、世界史や日本史も高校2年までにきっちり終了していたりする。対照的に公立伝統校では、高校1年で数学I・数学A、高校2年で数学II・数学Bをやるし、12月だというのに歴史はいまだ教書の真ん中すぎをのろのろとやっていたりする。化学Iだって終わってなかったりして。

教科書の内容を終わってあれば、次の段階である入試問題演習に取りかかれる。だから、はやく教科書を終わっていればそれだけ大学入試に有利である。そういう風に見てみれば、高3で化学Iをやっていたり、高2の終わりにようやく数学II・数学Bを完了するような調子の学校にあわせて勉強していては、理系の化学IIとか数学IIIとかを2月の大学受験までに「受験レベル」までもっていけないのだ。文系の社会科にしても同様である。政治経済とか倫理とかを高3で習う高校では、例えば、ちんたらやっている歴史と倫理を受験科目として選択したら、受験科目2つともが高3の時点で終わっていないという最悪のパターンにおちいる。こんな調子であるから、そして望みは高いから(だって"難関"の公立伝統校に入れたのだから!)、浪人まっしぐらなのである。

かといって、はやく必須教科を終わらせるために実技の授業を実はやってなかったり理科や社会科の単位を偽装したりするのは卑怯だと思うし、文部科学省のカリキュラムを逸脱して授業をすすめるのも「なんだそりゃ」とも感じる。(一時期、高校の単位偽装が大問題になったけど、いまでも"完全には"あらたまっていないんじゃないかと私は想像しているのだ)

公立高校も私立高校も、なんだかチグハグになってるんじゃないのかと思う。大学受験と高校のあるべき姿をもう一度考えてみてはどうだろうか。

で、受験生にとっては、そんなこと今さら考えてもらっても受験の期日は決まっているのだから、日々、努力を続けるしかないわけだ。眠い目をこすりつつ、深夜まで受験勉強である。頑張って欲しい。そういう受験生の足を引っ張ることだけは、高校にはして欲しくないと感じる今日この頃なのである。

 


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