徒然日記その70. 大学生の学力低下?(11/13)
「最近の若い者は・・・」これは大昔から繰り返されているセリフである。それにしても、である。小学生も中学生も高校生も大学生も、そもそもだらしない者が多い。ものをなくす、忘れる、遅刻する、約束(ルール)を守らない、・・・。一体全体いつからこんなになったのであろうか。
だから学生の学力が下がるのも当たり前である。分数計算もできないような大学生がゴロゴロしている時代なのだ。そもそも学力以前に「行儀の悪い」大学生が実に多くなっている。授業中に教室で飲み食いしてしまうなんてもう論外である。
それにしてもどうしてこんなに学力が低下したのか?答えは簡単。教養や学力が十分なくても大学に合格できてしまうからである。そもそも受験教科・科目がやたら少ない。理科系学部の理学部や工学部を数学なしで受験できるなんて私にとっては信じがたいことである。理科系だけでなく文化系だってそうだ。私立大学などは2科目で済むところも大変多い。つまり英語なしでも受験可能なのだ。果ては推薦入試で書類審査だけなんて場合も多い。国公立大学だって同じようなもの。我々の頃(年がバレますね)---今のセンター試験は共通一次試験と呼ばれていた---は、文化系だろうと理科系だろうと5教科7科目が必須だったのである。つまり英・数・国・理・社が全部必須であり、理科も社会科も2科目が要求されたのである。だから理科系の私でも社会科は2科目必要であって、日本史と倫理社会で苦しんだのである。理科も社会科も1科目で済む今のセンター試験とは大違いである。
学生は、受験に必要ない科目を真剣に勉強しない。これは真理である。受験教科・科目が減った今、学生がますます勉強しないのは当たり前である。高校側だってそうじゃないのか?受験に必要ない教科の時間数を減らして受験教科に充ててるんじゃないのか?私は高校における理科や社会科のカリキュラム選択の幅がやたら狭いのはそういう理由だと思っている。比較的短時間で勉強できる現代社会や政治経済を選択させる「指導」をするのもまさに受験最優先だからであろう。大学側だってそうである。生徒確保(受験者数確保)のために受験教科・科目をへらして受験者数を増やそうとしているのである。
もう、教育界ぐるみで「勉強しなくてもよい」環境を作っているのである。そりゃ学生の学力が下がるのも当然だ。大学合格後に予備校に通って「補習」、大学でも「補習」をしているなんて異常である。大学生の就職内定率が低いのは不景気のせいだけではないんじゃないのか?社会人(企業人)として使い物にならない大学生が増えていることも一因だと思う私は考えすぎなんだろうか。さらに追い打ちをかけるように2002年からは学習内容「3割減」である。さあ、どうなるか。
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