徒然日記その324. 高校入試 理科と英語の解答例について  (3/22)

 

先日の愛知県公立高校入試Bグループの理科と英語の模範解答(=愛知県教育委員会が新聞上で公開した解答のことです=テレビの解答速報もこの解答に即して放送していたはずです)について、個人的に「?」があった。

中学校の理科では有効数字は履修しなくなったから、第4問の1番と2番は .0 があってもなくても同じ意味のはずだ(少なくとも中学生はそう思っているのが多数だろう)。一部の理科の先生は有効数字を教えてくれるし、塾で教えるところもある。そういう生徒は68.0とか10.0と答えたろう。あるいは、問題文に長さは20.0と書いてあるから、出てきた答えにも機械的に.0をつけて68.0と書いた受験生もいたことだろう。

どちらにしても、有効数字を中学校では習わないのだから、68.0と10.0だけが正解ならば「不公平」なのである。解法を色々考えてみても結論は同じだ。知り合いの国立大学工学部の教授に問題を解いてもらったが、私と同じ意見であった。

 

英語の第1問の1番も妙な模範解答である。先入観無しで英語のネイティブスピーカーに解いてもらったら、彼が書いた文は、For twelve days. だった。高校の塾生数人にも同様に先入観無しで解いてもらったら(ちなみに英語の全国偏差値はみな70オーバーである)全員が、For twelve days. と解答した。It is twelve days long. でも英文として誤っているわけではないけど、「会話の中でそんなこと言うヤツはへんですよ」というのが私も含めて私の周り全員の意見である。公開されたのは解答例であって、他にも正解をみとめて採点していると信じたい。もし、そうでなければ、愛知県の入試問題は、それこそ「へんですよ」と言われてしまうだろう。

 

そして今回、一番気になったことは、「作問委員たちが中学校の履修内容を正確に把握しているのか」ということだ。理科の68.0と10.0がいい例である。これまでにも何度も指摘しているが、今回のことでますます「把握していないのではないか」という疑念が強まったのである。

 


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