徒然日記その138. 学力崩壊!その7.やっぱり日本語が通じない (4/15)
やっぱり学力崩壊である。新しい指導要領での授業が始まる前に、すでに来るところまで来ていると感じるのだ。中1の数学の授業で。中1の数学では、最初の単元で負の数を習う。数の世界をマイナスに拡張するのだ。まあ、このマイナスの計算自体は直感的に理解できる生徒が大半であって、大した苦労はないんだが、日本語の理解(知識)がいい加減だからワケの分からない答が飛び出す。
例えば、「8cm長い」をマイナスを使ってあわらすと「-8cm短い」となる。では、「10個少ない」は?正解は「-10個多い」となるんだが、この「多い」が出てこない生徒が増えた。「-10個少なくない」なんて答える生徒が多い。また、「5km南」をマイナスを使ってあわらせ、という問題を出すと、「-5km東」なんて答えが出たりして(正解は「-5km北」である)。
ちょっと前まで、詰め込み教育は批判されていた。その反省に立って、詰め込み教育が見直されて、内容を絞って教えることになったのだと記憶している。ところが、内容を絞って教えたらこうなったのである(時間数も絞ったからか)。そもそも詰め込みと言われるほどの量だったのだろうか。義務教育は基本的な内容を身につけるところである。だから、繰り返し繰り返し身に付くまで教えるべきだし教えられるべきなのである。できなきゃ詰め込んだっていい。それができていないのだ。「そんな内容が社会に出てから役に立つのか?」と聞いてくる生徒や親も少なくないが(*脚注参照)、現在の学力低下の程度は「社会に出て困るほど」なのだ。東西南北がわかんないのだからね。これが今後、加速度的にさらに酷くなっていくかと思うとゾッとするのである。
参考までに、この連載の学力崩壊!シリーズは、 徒然日記その101. 学力崩壊!その1.読み書きもできない? (6/11) 徒然日記その102. 学力崩壊!その2.日本語すらあやしい? (6/18) 徒然日記その103. 学力崩壊!その3.アホの三竦み状態? (6/25) 徒然日記その105. 学力崩壊!その4.教師だって学力崩壊? (7/9) 徒然日記その107. 学力崩壊!その5.マスコミだって学力崩壊? (7/25) 徒然日記その137. 学力崩壊!その6.日本語が通じない (4/8)*「そんな内容が社会に出てから役に立つのか?」:見方を変えれば、そんな内容を使う職につけなかったし、そんな内容をごく自然に扱う文化レベルに到達しなかったとも言える。
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